金利4%時代を生き抜いた私が、住宅ローンを10年で完済できた理由

投資体験記

31年前、私は築3年のマンションを購入した。
借り入れは約2,000万円。
住宅ローン金利は4%を超えていた。
今では信じられないと思う人もいるかもしれないが、
当時はそれが特別高い金利というわけではなかった。

幼い子どもが二人。
保育料だけで毎月7万円。
さらに、夫には前妻との間の子どもへの養育費として
毎月5万円の支払いがあった。
これは減らすことも、なくすこともできない支出だった。
文句を言う筋合いではない。
でも、家計から見れば決して小さな金額ではない。
私はその5万円を「最初から存在する支出」として受け入れ、
残ったお金で生活を組み立てるしかなかった。

「足りない」と嘆くより、あるお金でどう暮らすか。
それが、当時の私の現実だった。
そして結果として、住宅ローンは10年で完済した。


金利より怖かったのは「先が見えない不安」


当時は今のように、スマートフォンで簡単に情報を調べられる時代ではなかった。
住宅ローンの返済シミュレーションもない。
YouTubeで家計管理を学ぶこともできない。
将来の教育費や老後資金について相談できる場所も限られていた。
だからこそ、不安はいつも漠然としていた。
このまま返済して本当に大丈夫なのだろうか。
こどもが大きくなったら教育費は足りるのだろうか。
もし夫婦どちらかが病気になったら…。
そんなことを考え始めると、きりがなかった。
だから私は、不安を考え続けるよりも、できることを一つずつ積み重ねようと決めた。


担当者との「駆け引き」が日常だった時代


当時はネットバンクも住宅ローン比較サイトもなかった。
勤務先には取引銀行の担当者が頻繁に訪れ、
私は何度も銀行へ足を運んで返済計画を相談した。

「もう少し金利を下げられないでしょうか。」

「今、繰上げ返済をしたら利息はどれくらい減りますか。」

そんな話を何度も繰り返した。
今思えば、とても時間がかかる方法だった。
でも担当者と直接話をしながら返済計画を考えられたことは、
当時ならではの良さだったのかもしれない。

分からないことをそのままにしない。
納得できるまで聞く。
それも家計を守る大切な行動だった。


「私の給料は最初から存在しない」


当時の私には、一つのルールがあった。

「私の給料は最初からないものとして考える。」

生活はできるだけ夫の収入で回す。
私の収入は貯蓄と繰上げ返済のためのお金。
そう決めていた。
もちろん現実には、予定どおりにいかない月もある。
子どもが熱を出せば仕事を休まなければならない。
家電が壊れることもある。
冠婚葬祭が重なることもある。
それでも家計簿をつけ、支出を見直し、
小さな節約を積み重ねた。
特別な投資もしていない。
一発逆転を狙ったこともない。
ただ、「今日できること」を続けただけだった。
その積み重ねが、10年完済という結果につながったのだと思う。


今の世代が持っている大きな武器


現在は状況が大きく違う。
住宅ローンの金利はネットですぐ比較できる。
繰上げ返済による利息軽減額も簡単にシミュレーションできる。
借り換えの条件も、自宅にいながら調べられる。
当時の私から見れば、本当に恵まれた時代だと思う。
ただ、その一方で思うこともある。
情報が増えたからこそ、
調べる人と調べない人との差は、以前より大きくなったのではないだろうか。

便利な道具は、持っているだけでは意味がない。
使って初めて価値がある。
これは家計管理も同じだと思う。


不安を「戦略」に変える


最近は金利上昇のニュースを目にする機会が増えた。
住宅ローンを抱えている人の中には、不安を感じている人も多いだろう。
その気持ちはよく分かる。
でも、不安そのものが問題なのではない。
大切なのは、不安を数字に置き換えることだ。

例えば、

・毎月いくらまで返済額が増えても対応できるのか。

・繰上げ返済のために、あといくら準備したいのか。

・返済が終わったら、その分のお金を何に使うのか。

こうしたことを一つずつ考えるだけでも、
不安は「漠然とした恐怖」から「行動できる課題」へ変わっていく。

住宅は、人生で最も大きな買い物の一つだ。
だからこそ、感情ではなく数字で向き合うことが大切なのだと思う。


あの10年間は、家を守るだけではなかった


私が守りたかったのは、マンションそのものではない。
家族が安心して暮らせる場所だった。
そして、何があっても生活を立て直せる家計だった。
31年経った今でも、その経験は私の家計管理の土台になっている。
金利4%を経験した私から言えることは一つ。

時代が変わっても、お金を守る基本は変わらない。

現実から目をそらさず、
自分のお金を把握し、
できることを積み重ねる。

派手ではないけれど、それが家計を守る一番確実な方法だったと、今でも思っている。


※住宅ローンの金利や返済条件は金融機関や契約内容によって異なります。具体的な判断は、契約先の金融機関の最新情報をご確認ください。

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