6月も下旬になった。証券口座への配当入金も出揃ってきた頃だ。
数字を眺めながら、今年の決算シーズンのことをあらためて書いておきたいと思う。
2026.3月期の決算シーズンはスマホの通知が賑やかだった。
配当通知ではない。増配の通知だ。
株管理アプリが「〇〇が増配しました」と教えてくれる。
1件、2件……気がついたら19件。減配はわずか2件。
年間配当が5万8,878円増えた。
私が銘柄を選ぶ基準——累進配当という約束
高配当株への投資を始めて5年が経つ。
その中で、銘柄選びの軸として外せない基準が一つある。
累進配当を宣言しているかどうか、だ。
累進配当とは「減配をせず、配当を維持または増配し続ける」という株主還元方針のことだ。
企業が公式に宣言することで、それは株主への約束となる。
景気が悪くなっても、株価が下がっても、配当だけは守る。
そういう覚悟を示している企業を選ぶようにしている。
三菱商事、三井住友FG、稲畑産業——いずれも累進配当を正式に宣言している企業だ。
そしてもう一つ、連続増配年数も重要な指標だ。
何年にわたって増配を続けてきたか。
その実績が、企業の株主への姿勢を雄弁に語る。
今回増配した主な銘柄の連続増配実績はこうなっている。
| 銘柄 | 連続増配 |
| 三菱HCキャピタル | 27期連続増配(国内屈指の記録) |
| 三井住友FG | 累進配当方針を継続中 |
| 三菱商事 | 中期経営計画でも累進配当を継続宣言 |
| 稲畑産業 | 累進配当を正式宣言 |
| 第一ライフグループ | 増益に連動した増配方針 |
言葉で「株主を大切にする」と言うのは簡単だ。だが数字と年数は嘘をつかない。
金融株が、ちょっとおかしかった
今回の決算で目を疑ったのは金融セクターだ。
| 銘柄 | 増配率 |
| 第一ライフグループ | +38.5% |
| 三菱UFJ | +29.7% |
| オリックス | +21.9% |
| 東京海上HD | +16.1% |
| 三井住友FG | +14.7% |
並べると壮観というより、少し怖いくらいだ。
そして取得利回りがここまで育ったのには理由がある。
買い増しはほぼしていない。
ただ、なんとかショックと呼ばれるような急落の日、スマホを開いて「今日、かなり下がってるな」と思った時に、静かに買い足してきた。
周りが怖くて手を引く時に買って、あとはただ持ち続けた。
それだけだ。
今回の増配を経て、取得価格ベースの利回りはこうなった。
| 銘柄 | 取得利回り |
| 第一ライフグループ | 9.52% |
| 三井住友FG | 9.2% |
| オリックス | 8.52% |
| 東京海上HD | 7.78% |
| 三菱HCキャピタル | 7.34% |
| 三菱商事 | 6.96% |
| 三菱UFJ | 6.85% |
銀行の定期預金が0.数%の時代に、これが現実の数字だ。
時間と、少しの胆力が、利回りを育てた。
三菱HCキャピタルや稲畑産業あたりも10%超の増配。
派手さはないが、こういう銘柄がポートフォリオの底を静かに支えている。
91万円という数字
増配の結果、税引き後の年間配当総額が917,355円になった。
取得総額3,099万円に対して、年利2.96%。
月に換算すれば約7万6千円。
何もしなくても、毎月それだけが積み上がっている。
100万円まで、あと8万2,645円。
届くかどうかは来年の決算次第だが、今回確信したことがある。
高配当株は、持ち続けること自体が戦略だ。
やることは、狼狽売りをしないことだけ。
本当にそれだけでいい。
おわりに
2020年、コロナショックの最中に最初の1銘柄を買った。
あの頃は配当が年間数万円でも十分だと思っていた。
それが今や91万円。
来年の決算シーズンも、通知が鳴り止まないといい。
※本記事は筆者個人の投資経験・考え方をもとに書いたものです。特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


