老後資金、保険か投資か。

暮らしとお金

個人年金保険、12年払って戻ってきたのは払込額より2〜3万円。
思わず笑ってしまった。

15年ほど前、会社に出入りしていた保険会社のお姉さんから、個人年金保険を何度も勧められた。

「65歳になったら600万円以上受け取れるの。」
「60歳で定年になってから65歳までの5年間だけ頑張って払い込めばいいのよ。」
「私はもう受け取るのが楽しみで仕方ないの。」

そんな話を何度も聞いているうちに、私も「老後資金のために入っておいた方がいいのかな」と思うようになった。
当時の私は、投資なんて怖いものだと思っていた。
毎日、仕事と家事、子育てに追われ、お金のことを勉強する時間なんてほとんどない。
金融商品を比較する知識もなかったから、「そういうものなんだ」と思って、
毎月15,000円積立ていく個人年金保険に加入した。

個人年金保険という安心


個人年金保険は、毎月保険料を積み立て、将来決められた年齢になると一括、
または年金のように少しずつ受け取れる保険だ。
商品によっては、受け取りが始まる前に亡くなった場合、
それまで積み立てたお金が遺族に支払われる仕組みになっているものもある。
老後資金を計画的に準備できるという安心感は、この保険の大きな魅力だと思う。
だから、当時の私が加入したことを後悔しているわけではない。
あの頃の私にはそれが正解だった。

投資を始めて考え方が変わった


2020年、私は投資を始めた。
最初は本当に恐る恐るだった。
でも、本を読んだり、YouTubeを見たりしながら、
お金について少しずつ勉強するようになった。
すると、それまで何の疑問も持たずに続けていた個人年金保険を、

「このまま続けるより、積立投資にま回した方が私には合っているんじゃないかな。」

そう考えるようになった。
ちょうどその頃、長年担当してくれていた保険会社のお姉さんが退職し、
新しい担当者へ引き継がれることになった。
これも一つの区切りだと思い、私は個人年金保険を解約した。 
12年以上積み立てて、戻ってきたお金は、払込額より2〜3万円多かっただけ。

「えっ、これだけ?」

もちろん元本割れではない。
でも、あれだけ長い期間積立てて、この結果なのかというのが正直な気持ちだった。

あえて「もしも」を計算してみた


本当は、こんな計算をしない方が幸せなのかもしれない。
知らなければ、「そういうものだった」で終わる話だから。
それでも、自分への教訓として。
そして、これから老後資金づくりを考える誰かの参考になるかもしれないと思い、
あえて計算してみることにした。
実は、この保険の契約書はもう処分してしまっている。
そのため、加入時期や解約時期は記憶をたどっているので正確ではないが、
おそらく2012年4月頃から2024年3月頃まで、
毎月15,000円が月初に引き落とされていた契約だったと思う。

同じ条件で、世界株式100%のインデックスファンドへ毎月15,000円を積み立てていたらどうなっていたのか。

シミュレーションしてみた。

• 積立総額 216万円
• 評価額 5,838,719円
• 増えた金額 3,678,719円

……。

計算しなければよかった(笑)。
いや、本当に。
もちろん、これは結果論だ。
この期間は世界株式市場が好調だったことや円安の影響も大きい。
将来も同じような結果になるとは限らないし、投資には元本割れのリスクもある。
だから、「投資なら絶対こちらが正解」という話ではない。
それでも、この数字を見た時、「もっと早くお金について勉強していれば…」
と思わずにはいられなかった。

解約した15,000円はオルカンへ


解約したあと、毎月15,000円はそのままオルカンの積立に回した。
もちろん値下がりすることもある。
でも、自分のお金が世界中の企業で働いてくれるという考え方の方が、今の私にはしっくりくる。
今思えば、個人年金保険を解約したことより、
お金について勉強を始めたことの方が、私にとってはずっと大きな出来事だったと思う。

最後に


私は、この経験を通して「個人年金保険はダメ」と言いたいわけではない。
元本が大きく減る心配が少なく、計画的に老後資金を準備できる安心感は、
個人年金保険ならではの良さだと思う。
ただ、2020年に投資を始め、お金について勉強するようになったことで、
私は自分に合う資産づくりの方法を考え直すようになった。
もし、あのまま何も知らなかったら。
きっと今も、この保険を払い続けていたと思う。
お金の知識は、すぐに資産を増やしてくれる魔法ではない。 
でも、自分で考え、自分で選ぶ力は与えてくれる。
この個人年金保険を掛けていた時間は戻らないけれど、
これも良い勉強になったとは思う。
だからこそ、皆さんにも時々、自分の資産を棚卸しして見直してみることを
おすすめしたい。
15年前の安心が今も自分に合っているとは限らない。
一度契約したら終わり、ではなく、定期的に見直すこともお金と付き合っていく上で
大事な習慣だと思う。

※この記事は私自身の体験をもとに書いています。契約内容は当時の記憶をもとに再現しているため、年月などに多少の誤差がある可能性があります。また、シミュレーションは当時と同じ金額を世界株式100%のインデックスファンドへ積み立てた場合の参考例であり、実際の運用成果を保証するものではありません。個人年金保険にも投資にもそれぞれ特徴がありますので、ご自身の目的やライフプランに合った方法を選ぶ際の一つの体験談として読んでいただければ幸いです。

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