HDVという米国ETFをご存知だろうか。
正式名称は「iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF」。財務の健全な米国高配当株を約75銘柄集めたETFで、経費率は0.08%と格安。
エネルギーやヘルスケアなどディフェンシブ寄りの銘柄が中心で、相場が荒れても比較的粘り強い。
最近オルカン(全世界株式インデックス)が日本でも浸透してきたが、
HDVはその一歩先、「配当でキャッシュフローを作りたい」という人向けのETFだ。
私がHDVを買ったのは2020年。
当時はまだドルが100円ちょっとの時代だった。
日本の高配当ETFとして1489はすでにあったが、
私自身の日本株ポートフォリオがまだ育っていなかった。
個別株の高配当銘柄をしっかり仕込む前の段階で、米国ETFに目が向いた。
NISAではなく特定口座で、おそるおそる買った。
あれから5年。
配当部分は日本の高配当個別株と1489に任せ、成長部分は全世界インデックス中心に組み直した。
「オルカン一択」という空気もまだなかった時代に買ったVTも、今も静かに残っている。
投資は、続けているといつか点と点がつながる瞬間がある。
何が変わるのか
そのHDVが、四半期分配(年4回)から毎月分配(年12回)へ変更になる。
毎月お金が入ってくるのは一見うれしい話に聞こえる。
実際、配当生活を目指す人間にとってキャッシュフロー管理はしやすくなる。
ただし、問題がある。
NISA成長投資枠から外れる
新NISAのルールでは、毎月分配型のETFや投資信託は成長投資枠の対象外と決まっている。
つまり、今回の変更によってHDVはNISA口座で新規購入できなくなる。
現在出している買付注文はNISA・特定口座を問わずいったんキャンセル。
今後NISAでHDVを買い増したいと思っていた人は、戦略の見直しが必要になる。
なお、すでにNISA口座で保有している分はそのまま非課税で持ち続けられる。ここは一安心。
毎月分配=悪ではない、でも注意は必要
日本の投資信託の世界では「毎月分配型=タコ足配当」というイメージが根強い。
タコ足配当とは、運用益ではなく元本を取り崩して分配金を出す、
実質的に資産を食い潰す仕組みのことだ。
手数料も高いものが多く、長期資産形成には向かないとされてきた。
しかしHDVは違う。経費率0.08%は破格の安さ。
分配金も運用益から出ているのでタコ足ではない。
毎月分配になっても、ETFそのものの質が変わるわけではない。
では今から買うか、と言われると
実は老後のために毎月配当が入るようにポートフォリオを組もうと、地味に試行錯誤している。
なかなか上手くいかないのだが。そういう目線で見ると、HDVの毎月分配化は「買っておけばよかった」と思わせるニュースだった。
今の円安水準で飛びつくつもりはないけれど、ちょっとだけ悔しい。
ただ、一つ思うことがある。
NISAで買えなくなる、と聞いて焦る人も多いだろう。
でも、NISAで買えないなら特定口座で買えばいい。
それだけの話だ。
税制優遇がなくなるのは確かに痛いが、
「NISAで買えないから買わない」は少しもったいない気がする。
非課税メリットより、持ち続けることの方が大事なこともある。
円安が落ち着いて、株価が調整したとき。
そのタイミングが来たら、特定口座で少しだけ買ってみようかと思っている。
老後のキャッシュフローを作るのに、毎月お金が入ってくる仕組みは悪くない。
いつかまたあらお安いのね。
とお買い得になったら考えることにする。
※本記事は個人の投資経験に基づくものであり、特定の銘柄・投資手法を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


