老後資金より難しい住まい問題

暮らしとお金

老後資金についてはもう答えが出ている。
現金比率、投資配分、年金だけで足りるかどうか。
何年もかけて計算し尽くしたから、今は「お金」については以前より肩の力が抜けた。
ところが、住まいだけは何年経っても答えが出ない。
むしろお金より厄介だと最近になって気づいた。

築35年、修繕はしっかり、でも負担は増える一方


今のマンションは築35年。
大規模修繕は2回終えていて、管理はきちんとしている方だと思う。
ただし「管理がしっかりしている」ということは、そのぶんお金がかかるということでもある。
修繕積立金は年々上がり、管理費も物価高でじわじわ上昇中。
修繕をサボれば資産価値はもっと落ちるのだから、これは仕方のない出費だ。
わかっていても、毎月の請求額を見るたびにため息は出る。

このマンション、この先も売れるのか


立地は悪くない。
大規模開発された物件なので、極端な値崩れは今のところ起きていない。
とはいえ、購入時と比べれば資産価値はかなり下がった。
東京都心のように「買った時より高く売れる」世界とは無縁のエリアだ。

• 価値が残っているうちに住み替えるべきか
• このまま最後まで住み続けるべきか

どちらが正解かは、正直まだわからない。
データを集めるほど答えが出るお金の話とは違い、
こちらは考えるほど選択肢が増えるだけだった。

「田舎暮らし」への憧れは、加齢とともに消えた


若い頃は「定年後は自然の多い場所でのんびり」という願望が少しあった。
いわゆる田舎暮らし志向だ。
週末に「人生の楽園」を観ては、
私もあんな風に古民家をおしゃれに改装して無農薬野菜を使っておしゃれなカフェをやりたい・・・
なんて妄想を広げたりしていたものだ。
でも年を重ねて、その考えは静かに消えた。
歳をとるほど便利な街の方が安心だと、身をもってわかってきたからだ。
夫は退職後、通院が生活の一部になった。
何かあったときすぐ医療にアクセスできることは、想像以上に大きな安心材料になる。
加えて高齢になれば運転にも不安が増える。

• 歩いて買い物に行けるか
• 公共交通機関が使えるか
• 役所や銀行が近いか

こういう「当たり前の便利さ」が、老後には一気に価値を持ち始める。

子供の代まで続く話


そして住まいの問題は、夫婦二人だけの話では終わらない。
将来このマンションをどうするのか。
住み続けるのか、売るのか。
そのとき、きちんと値のつく物件として残せるのか。
子供の世代にまで関わってくる問題だ。
老後資金より、住まいの方が難しい理由
老後資金は本を読み、数字を積み上げれば、ある程度の見通しが立つ。
でも住まいは違う。
築年数、修繕費、資産価値、立地、健康、家族構成――
変数が多すぎて「これが正解」という式が存在しない。
だから今でも時々考える。
「このマンションに、あと何年住み続けるのだろう。」
答えはまだ出ない。
それでも考えることをやめず、その都度いちばん納得できる選択をしていくしかないと思っている。

老後資金と同じくらい住まいも早めに考えたい


老後資金については、時間をかけて積み上げていくことができるので
そこそこ目処もついてくる。
一方で住まいは、「まだ住めるから」「そのうち考えればいい」と後回しにしがちだ。
けれど、マンションは築年数を重ね、自分自身も年齢を重ねていく。
どちらも時間を巻き戻すことはできない。
だからこそ、今すぐ結論を出す必要はなくても、「このままでいいのかな」と
一度立ち止まって考えてみることには意味があると思う。

私自身もまだ答えは出ていない。
でも、老後資金と同じように、住まいについても少しずつ考え続けることが、
将来の安心につながるのではないかと感じている。
住まいの問題は、お金の問題でもあり、暮らし方の問題でもある。
だからこそ、早めに考え始めること自体が、老後への備えの一つなのかもしれない。

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※本記事は個人の資産運用・住まいに関する経験と考えを綴ったものであり、特定の不動産取引や投資判断を推奨するものではありません。マンションの資産価値や住み替えの判断は個々の状況により大きく異なりますので、実際の意思決定にあたっては専門家にご相談ください。

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